京都鴨川上流
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=== 外来魚バスターズ 駆除活動報告 ===
秋の湖東北部 定例駆除報告  報告担当:なかやま
 2005年の初春から始まった南湖における産卵期の大型バスの集中駆除,そのさなかに達成したバスターズ通算10トン駆除。初夏を向かえ駆除地点をやや北へ移動,なおも釣れ続く40cm,50cm級のバスの大量駆除今年度の産卵期大型バス駆除は,60cm級と50cm級が64尾,40cm級が260尾,その他30cm級以下を加えて1トン余りと言う結果でした。これらの中・大型バスが湖の深場へと移動する真夏には,猛暑の中で地道な駆除地点の探索と粘り強い駆除を続けました。そして秋。湖国の稲穂は頭を垂れ,早いところではすでに稲刈りの終えた田圃を横目に見ながらバスターズはさらに湖東を北上し,新たな駆除地点で活動しています。


8月28日
 この港では春に個人駆除で大型バスが釣られていたことはありますが,定例駆除で集中して攻めるのは今日が初めてです。産卵期大型バスの駆除地点であった南湖の漁港より更に広い港です。今回の定例駆除でこの地を始めて訪れたメンバーもいます。しかし,湖東在住のメンバーの個人駆除による情報を参考に,釣りのベテランであるメンバーが眼を光らせ,色々と歩いてポイントを探して行きました。波止の先端で40cm級のバスが見えたのでここで試し釣りをします。魚影は濃いとは言えませんが,ポツリポツリとバスが釣れて来ます。在来魚の稚魚の群れを追いかけるバスの姿も見られ,そのバスを狙って釣り上げることもありました。
 釣り始めてしばらくしてまわりを見渡すと,広い港のあちこちにバサーの姿が見られます。が,バサーが集まって釣っている場所と我々の駆除ポイントが必ずしも一致しないのは面白いところです。朝夕には型の良いものが混じり,中には1.5号ハリスを切って行く大型もいました。結果は,バスが61尾で4.5kg,ギルが35尾で2.9kg,合計は96尾で7.4kgでした。初めての場所,わずか4人での駆除としては上出来です。この港には他にも駆除に向いたポイントがたくさんありそうなので,次回以降に期待です。



9月11日
 ここは広大な港なのでポイントは無数にあり,まだまだ開拓する必要がありそうです。というわけで前回とはポイントを代え,探索をかねての駆除です。一日を通してアタリはポツリポツリとしたものでしたが,バスは20cm前後のものが多く,ときおり30cmクラスもみられました。高感度の琵琶湖浮きを使った浮き釣りや,筏竿や落し込み竿を使ったズボフカセ釣りなど,メンバー各自が場所や魚の活性にあわせて対応します。そのうち20cmほどのケタバスが釣れました。バスやギルに比べスマートで銀色に輝く姿は美しく,つい見とれてしまいそうになりますが,写真に納めた後は即リリース。コイ科にはめずらしく魚食性ですが,そこは在来魚,繊細ですぐに弱ってしまいますから。
 昼過ぎから一時天候が急変し,強風と雨にもみまわれましたが,幸い雨はすぐに止みました。夕方が近づいてからはギルの活性が高く,短時間で多くの重量をあげました。今回は数こそ多くはありませんでしたが,バス・ギルの集まる有力なポイントを発見できたのが大きな戦果でした。
 バス 286尾 23.0kg,ギル 134尾 15.0 kg,合計 420尾 38.0 kg(参加者7名)。



9月25日
 今日は台風の影響で風が強く,前回のポイントでは釣りにならないと判断し,港奥にポイントを移動しました。これは釣る側の人間ではなく,魚の都合?によるものです。バス・ギルはさほど遊泳力の強い魚ではないので,このような強風の時には潮流を避け,このような港の奥の比較的静かな場所に集まってくるのです。今年生まれと思われる,20cm程度の見事に型のそろった小バスが入れ喰いです。
 ここは観光バスの着く場所のすぐ横なので,釣っている姿をみて観光客も集まってきます。バッカンに入っている魚を見て,「この魚は何ですか?鮎?鮒?」。ときには「アジを釣っているのですか?」と聞かれることも。琵琶湖の外来魚,ブラックバスにブルーギルといえば,誰もが知る悪名高き魚と思っていたのですが,我々が思うほどには一般の方に認知されていないようです。名は知っていてもその姿を直に見たことはほとんどなく,ましてやこんなにたくさん居て,これほどまでに釣れる魚だとは思われていないのです。バス・ギルの説明をしながらも次々に釣り上げていく様子に,みな目を丸くしていました。百聞は一見にしかず,新聞やテレビでの報道やインターネットでの紹介より,このような公開(非公開の駆除などありませんが)での駆除活動が,外来魚問題のなによりの啓発になると感じた次第。しかし釣れるのは良いが,強風で鼻腔がくすぐられ,風にブタクサの花粉が混じっているのかついにバスギルアレルギーが発症したのか,鼻水が止まらない。ついにティッシュがなくなり近くの薬局に買いに行くことに。個人的には辛い時もありました。
 午後からは,これまでの駆除の慰労をかねてバーベキュー大会。豊かな恵みの海,日本海でメンバーが釣ってきた魚に舌鼓。メンバーお手製の鮒寿司やビワマスも振舞われました。海の魚ももちろんおいしいけど,琵琶湖の魚も美味!琵琶湖にもかつての豊かな湖の幸が戻りますように。ところで炭のケムリでまた鼻腔がくすぐられ・・・
 バス294尾 14.4kg,ギル25尾 1.0kg,合計319尾 15.4kg(参加者6名,午前中のみ)。





10月9日
 早朝は風が強く,前回と同じ港奥のポイントで駆除開始。前よりましての入れ喰い状態,手返しの早いベテランは1分間に2尾のペースで釣りあげます。それを見て,観光客だけでなくバサーも寄ってきます。駆除に協力すると約束したバサーには,餌のエビを分けてあげました。活きエビの効果に驚いた彼らは,しばらく一緒に駆除をしていましたが,やはり大物が釣りたいらしく,気づくとどこかへ行っていました。たしかにひたすら数量を稼ぐ駆除釣りに来たのではないのですから,少しでも大物を,その気持ちはわかります。釣った魚をリリースしなければ駆除になります。分からないのは,今居るバスのサイズよりも大きなルアーを投げ,ほとんど釣果があがらず,たまに釣れてもすぐにリリースしてポイントを荒らす,他の多くのバサーの気持ち。害魚としてのバスの知名度が確立した今でも,いまだに多くの人がこのようなバス釣りを続けているのが現状です。バス問題の根の深さを示していると思います。
 風の弱まったお昼前からはポイントを移動。数と同時にサイズアップも狙います。弱まりながらも吹き続ける風の中,時折30cm級のバスに20cmを超えるギルを織り交ぜながら,8名で釣り続けたバスは520尾の40.9kg,ギルは187尾の16.0kg,合計で707尾56.9kg。今日は7月24日以来久しぶりの50kg超えとなりました。
 これで今年の通算3375.2kg。ここは冬期のバスの溜まり場となるポイントへ通じる場所であり,これからますます多くの駆除成果が望めます。最近,他の湖沼で外来魚問題に取り組んでいる人々とお話しする機会を得たのですが,バスが最も多く釣れるのが冬だと言うと驚いていました。これが琵琶湖に限った現象なのかは分かりませんが,バスターズが駆除を始めるまではここ琵琶湖でもバスが真冬に釣れるとは思われていなかったのですから無理もありません。
この原稿を書いている間にも,同地で個人駆除中のメンバーから「40,50cm級バスを駆除」との速報が。琵琶湖における外来魚駆除の決戦の時である冬はすぐそこに来ています!




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