今回は前回大型・中型バスが大量駆除された湖東へ本隊を移しての駆除を行いました。
寒かった季節もようやく終わりを告げようとしています。早朝は少し寒かったものの、今日は天気もよく、少し暑いぐらいです。この現場は個人駆除も含めると、すでに200キロ近い駆除量があがっているブラックバスの非常に多い場所です。サイズも30センチ代から50センチまでと大きいです。ここは水温が年間を通して高く、周辺の魚にとっては絶好の越冬場所となっているようです。この時期を利用すれば集中的な駆除が可能です。
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7時頃現地に着くとすでに他のメンバーが駆除を開始していましたが、今日はまだほとんど釣れていませんでした。ポイントは藻穴を狙います。八時半も過ぎた頃、ようやく竿が大きく曲がります。バスはなかなか粘りを見せ、すぐに水面へはあがってきません。釣れたのは40センチのバスでした。サイズの割には引きが強いものでした。このポイントは流れがあるので、ここで過ごしているバスは泳ぐ力が強いようです。
突然、水面に無数の小さな波紋が現れ始めます。小魚の群れのようですが、魚の種類まではわかりませんでした。ここは隠れ家となる藻が多く、在来魚もたくさん見られます。
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その後も40バスが次々と釣り上がってきます。腹の膨れたものも多く見られ、産卵を控えている個体です。バッカンの中で大きな体を横たえています。ここしばらくの個人駆除の時に比べますと、今日はどうもアタリが少ないようです。付近を見て回りますと、水底でバスのつがいがベアリングをしているのが確認できました。すでに産卵が始まっているようです。産卵がはじまると餌をあまり追わなくなるので、アタリが少ないのはそのせいかもしれません。少し早い春の到来といったところでしょうか。また、バスがオイカワなどの小魚を追う姿も頻繁に見られました。海のスズキでも、イワシが出てきてそれを追うようになるとエビにはなかなか喰いつかなくなることがあります。このような時には、刺し餌にならない細かいエビを定期的に撒いておきます。やがて来るであろう「時合い」に備えて、型と活きの良いエビは「勝負エビ」として温存しておきます。
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今日は天気がよく、バサーをはじめ、実に多くの家族連れが来ていました。ヘラブナ師も来ていましたが、ほとんどがルアー釣りをしています。しかし、見ていますとこれだけの数の釣り人がいるにも関わらず、ほとんど誰も釣れていませんでした。ルアーを投げて、手元に手繰り寄せるという動作を、ただただ延々と繰り返しているだけのように見えます。釣りを楽しむスタイルには色々あってよいのであって、決してそれを否定するものではありませんが、どんな釣りでも、釣れない釣りは決して楽しいものではありません。ブラックバスのような在来生物を脅かす外来魚をわざわざ密放流してまで、こんな釣りをすることに、いったいなんの価値があるというのでしょうか?!釣りに使うルアーやバスロッドも決して安価なものではありません。
日本では、古来から多くの魚が釣りの対象とされ、その多くの釣法とともに生活と密着した魚の文化が発達してきました。それは日本の文化の根幹をなす要素の一つといえると思います。様々な要因でそうした魚が失われていくことは、それに伴う文化を失うことでもあります。バス・ギルをはじめとする侵略的外来種もまた、それらを奪うものです。自然の営みとともに発達してきた日本の文化にとって、それは重大な影響となって現れるでしょう。これまで日本で展開されてきたバス釣りは、在来の釣り文化、内水面の文化を侵略するものです。在来の自然を破壊し、食いものにしてきたこの商業行為を、この活動を通じて糾弾していきたいと思います。
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昼を過ぎてからは、しばらくアタリが遠のいていましたが、日暮れになって再び釣れ始めます。待っていた「時合い」が来ました。40センチ代のバスがタモで掬われていきます。活性が高いのは、バス・ギルだけではないようです。強い引きの後、長細い魚体が水面に現れます。46センチのカムルチーでした。元祖外来魚ともいえるカムルチーですが、たくさんの駆除活動の中でもまれに見られる程度です。同じく、細長く、黒い姿をしているナマズが見られました。40センチでした。ナマズもエビを使っているとよく釣れます。他には、30センチのコイとオイカワが見られました。今日は、いつもとは違う五目釣りの様相でした。何十年も前に出版された琵琶湖のガイドブックには、この五目釣りという言葉がたくさん出てきます。しかし、この本にある五目釣りの風景はいまや見る影もありません。このかつての風景をどう評価し、どう取り戻していくのか。今を生きる我々に課せられた大きな課題です。
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今回は、別働隊が南湖でも駆除を行い、50センチをはじめとする大型のバスが駆除されました。また、ブルーギルも100尾以上が駆除され、合計44.5キロの成果となりました。そして、今日で累計駆除量1トンを達成いたしました。昨年より一ヶ月早い達成でです。4トンへの道のりはまだまだですが、目標に向けて突き進んでいきたいと思います。
いよいよ本格的に大型バスの季節が到来します。来月は、産卵バスを迎撃すべく、重点的な駆除活動を行っていきます。今回も終日奮闘いただいた皆さん、お疲れ様でした。
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■ 駆除成果 |
参加人数 |
9 |
名 |
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ブラックバス |
93 |
尾 |
36.8 |
kg |
ブルーギル |
104 |
尾 |
7.7 |
kg |
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合計 |
197 |
尾 |
44.5 |
kg |
ブラックバス最長寸 52cm
在来魚
ナマズ 1尾
コイ 1尾
オイカワ 1尾
その他
カムルチー 1尾 |
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