2003年度の外来魚バスターズは琵琶湖北湖、南湖におきまして197回の駆除を実施しました。月2回行われる定例駆除と、平日にメンバーの休暇などを利用した個人駆除の総数です。駆除された外来魚は31355尾、内ブラックバスが全体の59%を占め、ブルーギルが41%でした。総重量は3056kgと成りました。(結果)
31355尾の外来魚は100%釣りにより捕獲された物です。私達がこの外来魚を捕獲する過程で混じった在来魚は14尾でした。在来魚の内訳はゲンゴロウブナ、ギンブナ、コイ、ニゴイ、ケタバス、ビワマスでした。
|
|
|
駆除された外来魚の中でも、取り分けブラックバスは琵琶湖において大型に成長する事が明らかと成りました。釣り上げられた最大の物は68.4cm 4.8Kg有りました。他に60cmを超える物は13尾居ました。50cmを超える物は90尾を超えた時点で記録を取る事を中止しました。これは捕獲魚の寸法・重量を測り、捕獲場所の記録を取る事務的作業が、活動の負担と成ったからでした。60cmを超える物が釣りのベテランの針に掛かった場合、高い確率で駆除されています。しかし経験の浅いメンバーに掛かった場合は糸を切って逃げる事も多い物です。それ故、今年度の針掛かりした60cm級の捕獲率は50%余りと成っています。つまり琵琶湖において針掛かりした60cm級のブラックバスは、捕獲された14尾の2倍は有りました。これ等の結果から、琵琶湖でのブラックバスは世間で知られている以上に大型化すると言えます。外来魚バスターズではメンバーに海の大型魚釣りの経験を積ませるなどして、捕獲率の向上に努めています。
|
|
|
私達が31355尾の外来魚を1尾ずつ釣り上げる過程で、ブラックバスとブルーギルの比率はブラックバスが59%を占めました。これは一般に公開されているデータとは違う結果でありました。ブルーギルは低水温に弱く、冬場はほとんど活動しなく成ります。これに対しブラックバスはタオルが凍る厳冬でも数多く釣れて来ます。従いまして寒い季節はブラックバスが駆除成果の100%を占める事も多い物です。しかし水温の高い夏場はブルーギルが活発で、ブラックバスは日中ほとんど釣れなく成ります。ただし涼しい朝夕は餌を追います。これ等の事はこの2種類の外来魚の特性を表わしていると言えます。
|
|
|
2003年度、外来魚バスターズは大阪府立大学大学院農学生命科学研究科生態保全学研究室の協力を得て、琵琶湖で捕獲したブラックバスのDNA鑑定調査を行いました。分析の結果、複数の個体からフロリダバス固有の塩基配列を確認いたしました。これにより、琵琶湖におけるフロリダバス、あるいはノーザンラージマウスバスとフロリダバスとの雑種の存在が明らかになりました。また、同様に捕獲されたバスからコクチバス(スモールマウスバス)のミトコンドリアゲノムの塩基配列を確認致しました。これ等のバスは最近持ち込まれた種類であり、外国から何らかの手段で持ち込まれ、琵琶湖に密放流された事は明らかで有ります。外来魚バスターズは生物多様性を踏みにじる、これら悪質な行為に怒りを禁じ得ません。
|
|
|
私達は、吹雪の吹き荒れる厳冬から、メンバーが熱中症にかかる程の酷暑の夏も湖岸に立ち続け、1年間で3トンを超える外来魚を釣り上げて来ました。これ等の事から休日を利用した市民の活動でも、3トンの外来魚を駆除する事が可能であると証明できました。現在、外来魚のリリース禁止の動きは全国に広まっています。四季の有る美しい日本の自然が育んだ、生物の多様性を後世に残す為にも、私達外来魚バスターズは2004年度中に4トンの外来魚を釣り上げる予定です。良識有る市民の皆様の参加と御支援をお願い致します。
|
|
|
|
|
■ 2003年 駆除成果総計 |
累積駆除回数 |
197回 |
|
|
|
累積動員人数 |
532名 |
|
|
|
駆除実施拠点(琵琶湖) |
40ヶ所 |
|
|
|
|
ブラックバス |
18511尾 |
|
ブラックバス最大個体 |
68.4cm |
ブルーギル |
12838尾 |
ブルーギル最大個体 |
27.5cm |
|
|
|
合計個体数 |
31355尾 |
在来魚採捕個体数 |
14尾 |
合計重量 |
3056.1kg |
外来魚比率(個体数) |
99.955% |
|
|
|
|
|
|
|
|