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=== 外来魚バスターズ 定例駆除活動報告 12月号 ===


2003年 第23回定例駆除 12月14日 マキノ方面 報告担当:だいけん
 12月に入り、今年の駆除も終盤を迎えました。道中、気温は2℃といよいよ寒い季節となりました。そして、今日は年間目標駆除量3トンまで、あと30キロあまりと迫っています。ちなみに今日は赤穂浪士の討ち入りの日でもあります。今回の定例駆除で3トン駆除達成を決めるべく、まだ薄暗い湖岸へと向かいます。

 前日からの冷え込みで外来魚の活性が低いことが予想されます。夜明けと共に駆除を開始しますが、小雨と強い風に見舞われます。時折、小雪もまじり厳しいコンディションです。
このような日は、バスは障害物の陰で身を潜めています。防寒着で身を固めつつ、船の下を狙うと、やや活性は低いもののいつものように小型のバスが釣りあがってきます。昨年に比べると全体的なサイズは小さくなっていますが、数は相当なものです。冬場は特に条件のよいところに集まってくるようです。今日は3トン駆除の達成を控えているので、とにかく片っ端から釣らねばなりません。

 毎年見られる光景ですが、今日のように気温の大変低い日でもバスの食い気は衰えることを知りません。今日も一度に二本針の両方に食いついてきた小バスがいました。オオクチバス属にはフロリダバスなどかなり温暖な地域の種も含まれますが、駆除をしていて強く感じるのは、バスは極めて耐寒性が強いということです。これは夏場に活性が高く暑さに強いブルーギルとは正反対の特徴といえます。ただし、いかにバスの耐寒性が強いといっても、さすがにバサーのルアーを積極的に追うことはありません。今日もこの天候にも関わらず多くのバサーが訪れていましたが、やはり誰も釣れている様子はありませんでした。バスターズは季節を問わず駆除活動を行っていますが、これはとりもなおさずバス・ギルにはいわばオフシーズンがないことを示しています。この生命力に、国内でこれほどまでに広がった理由を見ることができます。しかし、逆にいえば、この極めて食い意地の張った性質を利用すれば、一年中駆除が可能であるともいえます。あとは、最大の天敵である人間がどう迎え撃つか、まさに外来魚との根くらべともいえるでしょう。



 今日は、別働隊が湖西でも駆除を行いました。前日からの冷え込みでバスの動きが鈍いとみて、まずは港の一番奥で釣り始めると、小バスのアタリがポツリポツリと見られます。太陽が昇りアタリは増えてきましたが、サイズは同様に10cm前後の小バスばかりです。今日は3トン達成が気になります。ポイントを少し変えることにし、港の中央付近に遠投してみました。すると1投目から30cm後半のバスが、2投目も30cmほどのバスが釣れました。別のメンバーも同じポイントを釣りますが、そちらにはあたりがありません。そこで、仕掛けを比べてみると、20〜30cmほど棚が深いことがわかりました。早速棚を深くするとアタリが出はじめ、その後は二人とも30cm前後がコンスタントに釣れました。
当日は、常に複数のバサーがルアーを投げており、バスは岸から離れていたようです。バスは大変目がよいので、人が多いと警戒して遠ざかってしまいます。バス駆除とはいえ、釣り竿を使う以上、基本は釣りです。効率よく駆除するためには、ポイントや棚などを工夫する必要があります。その後、ここでは1時間ほどで10数キロを駆除することができました。


 別働隊の活躍もあり、午前中には駆除量が40キロを超えました。ついに年間目標の3トン達成です!!今日はこの日のために駆けつけてくれた遠方のメンバーと共に、記念すべき瞬間を迎えることができました。

 昨年の駆除量は、1.1トンでしたが、今年は3トンと約三倍の成果を上げることができました。バスターズは琵琶湖ウキの開発・改良を筆頭に、より効果的な駆除のためタックルの改良を不断に行ってきました。また、参加メンバー一人一人の技量が向上したことも3トン駆除につながったといえます。適切なタックルで一定のトレーニングを積めば、バス・ギルの駆除は誰でも比較的簡単にできるようになります。バスターズは海釣り経験者によって結成されましたが、釣りの経験のほとんどなかったメンバーもたくさんいます。かくいう私もそうでした。バス・ギルは異常繁殖しており短期間にたくさん釣ることができるので、熱心にやれば誰でもすぐに上手になります。一見非効率に思われる釣り竿による駆除ですが、このように小規模の人数でも1匹ずつ積み重ねていけば年間数トン単位の駆除が可能なのです。


 今回、バス・ギル合計1100尾あまり56.1キロの成果を上げ、本年目標駆除量の3トンを達成いたしました。バスターズではこの3トン達成を祝い、遠方のメンバーと共にささやかな祝賀会を行いました。この成果を次への一歩として、来年はさらなる目標へと向かっていきたいと思います。本日ご参加いただきました12名の皆さんご苦労様でした。

■ 駆除成果
参加人数 12名
ブラックバス 1079尾 53.9kg
ブルーギル       37尾    2.2kg

合計 1106尾 56.1kg

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2003年 第24回定例駆除 - 12月28日 マキノ方面 報告担当:なかやま
 3トン駆除を達成した後にも、外来魚バスターズは湖岸に立ち、駆除を続けています。前日の琵琶湖は断続的に雪が降る悪天候。夜には止みましたが、早朝の道路状態と冷え込みによる魚の活性の低下が心配されました。
 
 気温0℃凍結注意の警告が灯る中、安全運転で午前7時漁港着。いつもより明るいのは到着が遅れたためだけではありません。あたりは一面の銀世界。すでに30分前から駆除を始めていたメンバーとの挨拶もそこそこに、いつもの舟の間に入ります。撒き餌をしたりタナを下げたり試みますが浮きはまったく動きません。そこで少しずつ移動しながらポイントを探っていくと、ようやくアタリが。毎度おなじみの15cmバスがあがってきました。早朝は時折みぞれが降る悪条件でしたが、バスの喰いは立っているようです。


  同じ頃、別働隊は苦戦を強いられていました。近江舞子方面の漁港で夜明けから2時間粘るもののまったくアタリはなかったそうです。このところ中小型のバスが釣れていた場所なのですが、冷え込みが厳しくなり漁港外の深場へ移動したのかもしれません。あいかわらず小バスの釣れ続けるマキノ方面とはかなり様子が異なります。たとえその日の釣果とはならなくとも、このようなポイントの変化の様子は今後の駆除に役立つ貴重な情報となります。そして、このような情報は実際に釣糸を垂れてみなければ得られないのです。

 9時ごろ、ようやく太陽が顔を出します。それまで気づかなかったのですが、水はとても澄んでいました。足元にある藻は在来種のマツモのようです。特徴的な細かい葉まではっきりと見えます。そして藻のまわりにはたくさんのバスが泳いでいます。漁港の中心部に目を移すと、カイツブリがときおり水に潜って餌を採っているのが見えます。あの辺りにもバスがたくさんいるのでしょう。遠投で狙ってみたくもなりますが、まずは足元の小バスを片付けねばなりません。防波堤にはたくさんのユリカモメが止まっています。港の外にもユリカモメとカイツブリが群れています。あれほどたくさんいたカワウは、今日はほとんど見かけません。他の水系へ移動したのでしょうか。


  漁港奥のポイントでは、粒の大きなバスも釣れているようです。水の中には、30cmクラスのバスが泳いでいるのが見えますが、なかなか餌に食いつきません。今日のように水が澄んでいれば警戒もいっそう強まるのでしょう。このような時には、針や糸のサイズ等に工夫が必要となります。

 昼前にはずいぶん暖かくなり、バスの活性はさらにあがってきました。餌目当てのネコは今日も元気です。おとなネコは一定の距離を置いて釣れてくる魚をうかがっています。最近になって見かけるようになった子ネコ達は、人が居ても気にしません。魚の入ったバッカンの中まで入ってこようとします。

 

  バサーの数も増えてきました。エビを餌にしているグループも居ます。ルアーと釣り比べてみて、やはりエビを生餌にした方が良くつれることが分かったようです。エビを買うにはお金がかかるが良く釣れるので結局は安くつく、などと話しながら、釣ったバスをネコにやっていました。


 午後には近江舞子方面から安曇川方面へと転戦した別働隊が合流し、9名での駆除となりました。遠投で漁港の中央を狙い、30cmクラスのバスを釣り上げていきます。あいかわらず足元に群れる小バス退治に精を出すメンバーもいます。私は最後まで舟の間で粘りました。ここでは数は上がるものの、サイズはほんとうに小さなものです。夕刻に釣れた20数cmが最大でした。

 

 終盤、今日唯一のギルが釣れました。漁港内に繁茂しているオオカナダモの中から釣り上げられたものです。厳冬期にも餌に盛んに食いつくバスとは対照的に、当歳の小さなギルは藻の中でじっとしているようです。より大きなサイズのものは、漁港外に出て深場へ移動したのでしょうか。アルゼンチン原産のオオカナダモの森の中で、北米から来たブルーギルが越冬している様子を想像すると、複雑な気持ちになります。アレチウリの花の蜜をせっせと集めるセイヨウミツバチを見たときにも、同じような気持ちになったことを思い出しました。


  今回は、型は全体的に小さいものの、魚影は大変濃く、また中型のバスも入ってきていました。この漁港はそう広くはありませんが、まだ人の入れる余地はあります。そして広大な琵琶湖には、まだまだ多くのバス・ギルの集まるポイントがあります。私達と共に活動してくれる仲間の増えることを心から願います。
1月4日の個人駆除から始まった2003年の外来魚バスターズの駆除活動は今日で終わりです。1年間ご奮闘いただきました皆様、お疲れ様でした。

■ 駆除成果
参加人数 9名
ブラックバス 660尾 30.1kg
ブルーギル       1尾    − kg

合計 661尾 30.1kg
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