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=== 外来魚バスターズ 定例駆除活動報告 9月号 ===


2003年 第17回定例駆除 9月14日 マキノ方面 報告担当:だいけん

 今年も早いもので、もう9月を迎えることとなりました。今回も、外来魚軍団の集結するマキノ方面での駆除を行いました。

 9月になり、空にも秋の景色が漂いはじめました。日も徐々に短くなってきました。外来魚も秋の気配を感じてか、ここマキノのポイントに集結しつつあるようです。今日は、少し水が濁っているようです。日が昇りはじめ、辺りが薄明るくなりはじめました。今日の駆除の開始です。皆、それぞれポイントへと入っていきます。私は、今日はまず船と船の間のポイントを狙うことにしました。前回、大型のバスが釣れた場所です。一投目から、即ウキが沈んでいきます。前回同様、20センチ前後のギルでした。早朝は、ギルの活性が高く、15センチから20センチのものが次々と揚がってきます。どの現場もはじめて駆除を行った時には大型のギルが混じりますが、一定量駆除すると、大型は減り、釣れる個体は小型化していきます。しかし、ここでは前回かなりの数を駆除したにも関わらず、大型が減る兆しは見えません。外湖から次々と入ってきている様です。同じポイントで一定時間駆除を続けると、型が小さくなってきます。そこで、しばらく時間をおくと、また大型の個体が入ってくるといった寸法です。とにかく、いくらでも入ってくるといった状況です。


 日が昇り、気温が高くなってくると、今度はバスも動き始めました。今回も、前回同様、バスとギルのポイントはかなり偏りが見られました。私が釣っていた場所では、2年魚と思われる20センチ超のバスがギルに混じって釣りあがってきます。全体的に外来魚は浮いており、かなり浅いタナでエサを食べてきます。今日は30センチを超えるようなバスはあまり見えませんが、40センチオーバーのバスがエビに誘われて寄ってきたのがわかりました。急に大物が掛かるとばらしやすいものです。慎重に合わせるようにします。しばらくして、ウキがこれまでとは違いゆっくりと沈んでいきます。大物と思われるので、十分にのませてから合わせます。揚がってきたのは、45センチのバスでした。久しぶりの40オーバーはやはり大きく見えました。


 ギルもたくさんいますが、前回に比べると、小型のバスがたくさん入ってきているように思えます。今日釣れたバスの中に、左の口が裂けているものがいました。この現場は、以前から比べると減ったものの、かなりのバサーが来ています。このバスも、以前リリースされたときに、傷つけられたものでしょう。ここでは、このような口等に傷のあるバスがかなり見られます。駆除に出ると、いつもリリース禁止条例など無いかの如く、当然のようにバス・ギルをリリースしているバサーの姿を見ますが、その釣ったバス・ギルをごみのように水に投げ入れる姿は、まるで琵琶湖がバス・ギル用の釣堀であるかのようです。この条例以後、湖岸のバサーの数は減少し、外来魚の増加を助長する構造の縮小に、一定の効果があったと思います。同時に、その罰則規定においては今後とも見直される必要があると思います。

 午後も外来魚は釣れ続き、徐々にバッカンがいっぱいになっていきます。今日は、夕方近くになってから、次第にアタリがなくなっていきました。最後に、一日駆除した外来魚の集計が待っています。一ヶ所に外来魚を集めますが、写真にありますように、まるで市場のようです。今日は、バス・ギル合わせて1000尾を超えましたが、この中に、在来魚は一匹も混じっていません。フナ類や、コイ、ケタバスやナマズなど、いずれもエビを使った仕掛けで本来釣れるものですが、これが琵琶湖の現状といえます。バス・ギルの無秩序な密放流は、この国の自然に未曾有の破壊をもたらしています。この問題の解決には、辛抱強く、そして地道な活動が必要となるでしょう。特定の魚種を長期的に駆除する活動など、これまで行われたことなどないのです。実際の駆除から、行政の対応のあり方、研究調査にいたるまで、この問題に関わる全ての活動に長期的な視点が求められることでしょう。すでにバス問題によって破壊され、失われてきたものは大変大きいといえます。しかし、これは同時に、我々の自然に対する在り方を考え直すよい契機なのかもしれません。この地道な駆除活動の一つ一つが、この問題を切り開く一歩であるとバスターズは考えています。


 今回は、合計1000尾、70キロを越える大戦果を上げ、そしてついに累計駆除量2トンを達成しました!今年度の累計駆除目標は、当初2トンを掲げていましたが、今年の3月には3トンへと上方修正しました。その当初目標の2トンをこの9月で達成することができました。秋を迎え、外来魚の活性は徐々に高まっているといえます。残りの4ヶ月で目標の3トンを目指していきます。本日ご奮闘頂きました9名の皆様、お疲れさまでした。

■ 駆除成果
参加人数 9名
ブラックバス 278尾 20.9kg
ブルーギル       787尾    52.9kg
最長寸45センチ

合計 1065尾 73.8kg
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2003年 第18回定例駆除 - 9月28日 マキノ方面 報告担当:だいけん

 今回の定例駆除も、引き続きマキノ方面で駆除を行いました。朝と昼の気温差が大きい時期になってきました。現場には、日出の少し前に到着しましたが、かなり肌寒く、十分着込んでの活動になります。

 現場全体の様子を見て回ると、船の下にはすでに多くの外来魚の姿が見えます。水面に仕掛けを投入すると、いつもと変わらぬ早さで、外来魚が食いついてきます。今日も外来魚の魚影はかなり濃いようです。今日も20センチクラスの大型ギルが釣り上がってきます。
大型ギルは、同じ場所で釣り続けるとしばらく姿を消しますが、少し経つとまた釣れだします。その数はすさまじく、休憩する間もないほどです。外湖から入ってきているのでしょうが、いったいどこから集まってきているのかと思いたくなるほどです。周辺の沖には、藻場が広がっているのでそこからやってきているのでしょう。一方で、ブルーギルが20センチにまで生長するのに一般に5年以上かかることを考慮すると、数年に渡って駆除を続けているこの現場では、居着きの個体はすでに壊滅しているとも考えられます。ブルーギルの移動力は見ている限りあまり大きいようには思えませんが、時間をかけて案外遠いところからも集まってきているのかもしれません。結局、このポイントでは朝から夕方まで、休むことなく延々と大型ギルが釣れ続いていました。


 今日はバスとギルの居場所が、かなりはっきりと分かれていました。前回に比べて、バスの数が増えています。15センチ前後のバスが多いですが、たまに30センチ後半の大型ものもいます。暑い時期はブルーギルの活性が高いですが、気温が低くなり、秋が始まる頃から徐々にバスの活性が高くなっていきます。ちょうど今の時期が入れ替わりの季節といえます。バスは盛んにエサを追っていました。


 今日は、これに加えて、たくさんの在来魚の群れが見えます。ウグイのようです。8月後半以来、ここでは、以前と比べて在来魚が多く見られるようになってきましたが、これほど大量に見られたことはありません。


 ウグイは10数匹の群れを作り、移動していました。中には、群れを作らずに一匹だけで泳いでいるものもいました。よく見ると、ふらふらと力無く泳いでいます。バスやギルにかじられ傷ついたために、群れについていけなくなったようです。このような手負いのウグイが何匹も見られました。群れウグイの周りにもバスが集まっており、スキを見ては攻撃を繰り返していました。


 ウグイの群れの他、鮎玉が見られました。直径2メートル以上はあろうかという巨大な鮎玉です。その数は何百匹にも及ぶでしょう。私は今まで鮎玉をあまり見たことがなかったのですが、これはなかなか感動的なものでした。しかし、この鮎玉もバスに狙われていました。水面近くを移動する鮎玉をバスが底から狙っていて、時折攻撃を加えていました。魚食性のバスにとっては、小型のコイ科やアユなどは格好のエサとなります。これに一計を案じ、この在来魚群れの周りに仕掛けを投げ込む作戦に出ます。すると、底で在来魚を狙っていたバスが、活きエビにまんまと食いついてきました(^_^)V。この作戦で、次々とバスを釣りあげることができました。本来この現場は魚類が集まりやすい場所といえると思います。地元の漁師さんの話によると、以前はたくさんのスジエビがとれたそうで、一晩でタツベがいっぱいになったと聞きます。ですが、見る影もありません。獰猛な外来魚がこれだけいれば、他の生物などいられるはずもありません。昔はフナがたくさんいた、コイがよく釣れた、と言われていた場所が、現在はよく知られたバススポットとなっている話を他にもたくさん聞きます。以前、モロコがたくさん釣れた場所に久しぶりにいってみたら外来魚ばかりでショックを受けた、などという話は枚挙に暇がありません。かつては在来魚の重要な住処だった場所を、バス・ギルが確実に追詰めていったのです。
逆に、この様な場所では外来魚を集中的に叩くことができ、また在来魚への効果も高いといえます。外来魚駆除活動も最大限の効果を上げるために、戦略的に進めることが重要といえます。


 早朝こそ寒かったものの、日が昇ってからは気温も上がり、天候にも恵まれました。今回は、前回まで大半を占めていたギルをバスが上回り、合計91キロ、1427尾の戦果を上げることができました。秋のけはいを感じてか、バスの活性が高くなる傾向が見られ、これからの季節は大量駆除も予想されます。本日、ご奮闘頂きました10名の皆さんお疲れ様でした。

■ 駆除成果
参加人数 10名
ブラックバス 825尾 61.0kg
ブルーギル       602尾    30.0kg

合計 1427尾 91.0kg
 
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