京都鴨川上流
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=== 外来魚バスターズ 定例駆除活動報告 7月号 ===


2003年 第13回定例駆除 7月13日 南湖方面漁港 報告担当:だいけん

 今年は例年に比べて雨の日が続きますが、今回の定例駆除も早朝より曇り空の下で始まりました。昨年は雨が少なく、琵琶湖も渇水に見舞われ、外来魚駆除にも影響がありましたが、今年はその心配はないようです。

 夏場はブルーギルが大変活発になる季節であり、産卵期でもあります。日中はブルーギルの活性が高く、特に南湖はブルーギルの数が多いので、日中はブルーギルを狙い、早朝と夕方はブラックバスを狙うと効率のよい駆除ができます。


 早朝はブラックバスも活発にエサを追い、大型の個体も見られます。7時頃、メンバーの竿が大きく曲がり、47センチのバスが釣りあがってきました。バスの群れが入ってきたようです。それからしばらくの間、52センチ、46センチ、41センチと続けて大型のバスがしとめられました。これらに加えて、小型のバスもブルーギルに混じって釣れていました。この季節のバスは春の産卵期のものに比べると、かなりやせていますが、水温が高い分、泳ぐ力も強くなっています。春季と同じ感覚でいると、引きの強さから考えてタモを出したものの、岸に寄せてみれば案外大きくもなかったという場面がよくあります。

 春の産卵期のバスは水温もまだ低く、さらにメスは卵を抱えていて「身重」であるために大きなものでも泳ぐスピードはそれほどではありませんが、その分、重さがあります。これは実際につり竿で掛けてみれば、実感としてよくわかります。4月に駆除した60センチ級のバスは、どれも4キロ以上ありました。例えば海の大型魚であるクロダイでも60センチで4キロに達するものはあまりいません。ブラックバスは非常に重い魚であるといえます。今回、海釣りで使う大物用の針を折っていくものも現れました。大型のブラックバスと思われます。このような場面に出会うのは、一度や二度ではありません。現場にたち続けていると、ブラックバスの持つパワーのすごさを痛感します。


 メンバーの竿がまた大きく曲がっているので、また大きなバスかと思いきや、これは45センチのニゴイでした。午後にもまたもや48センチのニゴイが釣れました。バス・ギルがひしめき合っている中では、大型の在来魚だけは生き残ることができるようです。


 外来魚駆除をしていると、釣りあがった魚のおこぼれにあずかろうと色々な動物がやってきます。ネコはその代表的なものですが、外来魚が大量に釣れる場所のネコはよく肥えています。ネコ以外には、カラスやトビ、また、アオサギもよく見かけます。見ているとアオサギは魚を取るのがあまり上手ではないようです。カイツブリやカワウも湖岸ではもっともよく見かける動物ですが、こちらは人間よりも魚を取るのがはるかに上手いので、我々に擦り寄ってくるようなことはありません。今回は新顔のゴイサギが現れました。醍醐天皇から名前の由来となっている「五位」の位をもらったという平家物語にも出てくる由緒のある鳥ですが、最近はこうして人からエサをもらっているようです。元々警戒心の強い鳥ではないようですが、このゴイサギはかなり人に慣れているようで、普段から釣り人にエサをねだっているのでしょう。ためしに釣れたばかりの小ギルを投げてみると、何匹も食べます。その様子を後ろから見ていたアオサギが、縄張りを取られたと思ったのか、後でゴイサギを追い払っていました。バス・ギルの増加で野生の鳥達の食生活も変化しているといえるでしょうか。

 現在、琵琶湖ではカワウの大増殖が問題となっていますが、そんなカワウも乱開発などによる環境の悪化により、一時は減少し、70年代は全国で3千羽と、絶滅が危惧されていました。しかし80年代になって増え始め、現在では全国で6万羽にまでなりました。そして90年代に入ってからは、増加による糞害等が顕在化しています。琵琶湖で繁殖したカワウは、四国など他県にも広がっていると言われます。80年代は琵琶湖でバス・ギルが激増した時期であり、カワウの増加の原因にはエサとなる外来魚の増加が深く関係していると思えます。カワウはバス・ギルも含め様々な種類の魚を、しかもかなり多く食べるようですが、今まで観察した中では食べやすい形をしている15センチから20センチ程度のバスが好きなようで、ある現場では、ひしめくようにいた小バスが、カワウが現れるようになって以来、大きく減ったのを確認しています。1年で15センチ程度にまで育ち、しかも大量に増えるバスはエサとしては最適なのかもしれません。バスやギルといった特定種の増加は、生態系の上位の種にも密かに影響を及ぼしています。


 午後は強い雨にも見舞われましたが、最長寸の52センチをはじめとする30キロものバスと、大量のギルを駆除することができました。終日奮闘いただきました11名の皆様ご苦労さまでした。

■ 駆除成果
参加人数 12名
ブラックバス 159尾 29.0kg
ブルーギル       514尾    26.2kg
バス最長寸 52cm 

合計 673尾 55.2kg
在来魚 ニゴイ 2尾(45センチ、48センチ)
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2003年 第14回定例駆除 - 7月27日 南湖方面 報告担当:だいけん

 7月も後半になり大変暑い日が続きますが、外来魚バスターズは外来魚からの琵琶湖奪還を目指し、この季節も活発な駆除活動を行っています。今回も南湖を中心に定例駆除を行いました。

 現場は、日の出から二時間も経ったころにはすでに熱気が立ちこめ、非常に蒸し暑いです。水深の浅い場所では、小型のブラックバスやブルーギルが見えます。今回も早朝はブラックバスを、日中はブルーギルを狙う作戦です。


 7時過ぎに、最初の大物バスが仕留められました。48.8センチありました。産卵期後、一時は痩せていたバスもこの時期には体力を回復しているようで、このバスはよく肥えており、手に持った感覚でも重く感じられました。また、別のポイントでは、51センチのバスが仕留められました。このバスもよく肥えていました。私が狙っていたポイントでは、小型のバスの群れがたくさん入ってきています。15センチから20センチ後半のバスがブルーギルに混じって釣り上がってきます。このポイントでは、終日小型のバスが見られました。

 ブルーギルが多い場所では、エサを振り込んだ直後にブルーギルが突進してくるので、生きたシラサエビもブルーギルに突かれてすぐに死んでしまいます。こうなると動かないエサには関心を示さないブラックバスは食わなくなり、釣り上がってくるのはブルーギルになります。生きのよいエビにはブラックバスはよく反応し、ギルの群れの中を突き抜けて、エサを奪っていきます。生きのよいシラサエビを使えば、ブルーギルが多い場所でもブラックバスを効果的に狙うことができ、バス・ギルともに駆除することができます。


 日中は、ブルーギルの駆除を重点的に行いました。ブルーギルはブラックバスに比べると、ずっと口が小さいので、釣り針も小型のものを使うのが効果的です。ブルーギルは釣るのは簡単な魚なので、ブルーギルを大量に駆除するためには、魚を釣り上げてから次のエサを打ち込むまでの動作をいかに早く行うかがポイントです。エサを打ち込む回数を上げることができれば、それだけたくさんの数を釣ることができるというわけです。海釣り師や駆除経験豊富なメンバーは、手慣れた竿さばきでブルーギルをどんどんと釣り上げていきます。今日は小型の個体が多い日でしたが、ここ最近と比べると群れがやや少ない印象も受けました。あと、姿を見ることはできませんでしたが、この小型のギルを襲っている大型の魚がいました。大型のバスか、あるいはナマズの可能性もあります。

 小さなブルーギルが群れをなしているのをみると、琵琶湖にはこの魚が無限にいるのではないかという気分にもなってきますが、このブルーギルに対しても部分的にではありますが、駆除の効果が出てきているようです。この現場では、数ヶ月前には20センチを超える大型のギルがよく見られました。しかし、今月を見ても、駆除したブルーギルのサイズは、10センチから15センチ程度と20センチには満たないものが大半であり、大型のギルは明らかに減少傾向にあります。駆除大会が開かれている志那中公園においても、バスターズが初めて参加した2001年には、たくさんの大型のギルがいました。現在は小型のものが多くなっています。6月号で報告したブラックバスの例と同様に、ブルーギルにおいても重点的に駆除を行った場所では大型の個体が減少する傾向が見られます。ブルーギルの動向についても今後とも注目していきたいと思います。


 厳しい暑さの中、ブラックバスは最長寸の51センチはじめ合計22キロ超、ブルーギルについては合計31キロ、800尾を超える大量駆除となりました。この季節、日中は大変暑いですので、熱中症には十分注意してください。今日も終日奮闘いただきました11名の皆さん、お疲れ様でした。

■ 駆除成果
参加人数 11名
ブラックバス 245尾 22.4kg
ブルーギル       822尾    31.1kg
バス最長寸51cm 

合計 1067尾 53.5kg
 
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