この時期は、外来魚にとっては、ブルーギルの産卵シーズンにあたります。今回の定例駆除は、前半は北湖で、後半は南湖で駆除を行いました。
午前中駆除を行ったポイントでは、昨年60センチはあると思われる巨大なバスが目撃され、その大バスが、一般釣り師が掛けた在来魚や、20センチ代のバスを食べようと襲う光景が見られました。ブラックバスは共食いをよくする魚だと言われていますが、20センチ以上もあるバスに何度も食らいつこうとする姿を実際に目の当たりにした時は、強い衝撃を受けました。この北米産の外来魚は、極めて獰猛な性質を持っているといえます。今日も、大きく水がバシャッと跳ねた前を小さなしぶきが跳ねていくのが見えます。ブラックバスが小さな在来魚を追いかけている風景です。藻やヨシなどの水生植物が生えている逃げ場となるものがあるところでは、小さな在来魚でも生き残ることができますが、そのような場所がないところでは、小魚の類はすぐにいなくなってしまいます。
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今日の水は非常に濁っています。水面に浮いてきた小さなバスやギルが時折見えます。
私から離れたところいるメンバーの竿が大きくしなっています。30センチ後半のバスが釣りあがったようです。こちらでも大きな魚が掛かりますが、こちらは36センチもある大きなフナでした。フナは一般に雑食性ですが、大きな物はエビでも良く釣れて来ます。駆除では、釣っても釣ってもバスとギルばかりなので、たまに在来魚の姿が見られるとうれしいものです。
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障害物や船の下に稚魚がたくさん見えます。掬ってみると、ブラックバスの稚魚でした。小さいながら黒い縞があり、ブラックバスの姿をしています。もう親離れしたのか、近くに親魚の姿は見られませんでした。外来魚の個体数を減らすには、稚魚の駆除も非常に有効だと思います。
後半は南湖で駆除を行いました。ブルーギルの多い南湖では、この時期にもなれば、もうどこ見てもブルーギルだらけのような印象を受けます。前半のポイントとは対称的にこちらの水質は非常に澄んでいて、底の様子もはっきりと見えます。仕掛けを投入すると、無数のギルがエサを取り合っているのが見えます。その中には、ブラックバスの姿も見えます。釣りあがってくるのはブルーギルが大半ですが、ブラックバスの群れが入ってきたときは、バスが釣れます。どんな魚でもそうですが、ブラックバスと同様、ブルーギルにも大物のポイントがあります。26センチもある大ギルが釣れました。ブルーギルは体が平たいので、水圧を受ける分だけ引きが強いですが、このサイズともなると簡単に水面から引き抜くことはできません。
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今回、驚くべき光景を見ることができました。写真のギルは当日釣り上げたものです。このギルは頭部の上側が、おそらく鳥によるものだと思いますが、爪のようなものでえぐられて、頭の上の身がなくなっていました。しかし、このギルは何事もなかったようにエサを追ってきました。恐るべき生命力です。夏場の炎天下の下では、陸にあげた魚はすぐに乾いて死んでしまいますが、バスとギルは非常に強く、特にブルーギルは体の半分が乾ききっているにも関わらず、まだ飛び跳ねたりします。このような魚は、どの日本の魚にも見当たりません。この魚が、繁殖力のみならず、極めて強靭な生命力を持つことを知れば、放流されるとすぐに増えてしまうこともすぐに理解できます。
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朝と夕方には大型のものを含むブラックバスが見られましたが、今回はブルーギルの駆除量が非常に多い一日となりました。午後は時折にわか雨に見舞われる中、38キロあまりの外来魚を駆除しました。一日ご奮闘いただきました9名の皆さんご苦労さまでした。
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■ 駆除成果 |
参加人数 |
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9名 |
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ブラックバス |
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81尾 |
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10.2kg |
ブルーギル |
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691尾 |
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28.1kg |
バス最長寸38cm ギル26cm
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合計 |
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772尾 |
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38.3kg |
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在来魚 フナ 36cm |
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