京都鴨川上流
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=== 外来魚バスターズ 定例駆除活動報告 4月号 ===


2003年 第7回定例駆除 4月13日 南湖方面漁港 報告担当:だいけん

 4月に入り、ブラックバス産卵の最盛期を迎えました。今月の初頭から、南湖では40から60オーバーを超える空前の超大物ラッシュが続いています。今回の定例駆除は産卵大型バスの迎撃に向けて、バスターズの総力をあげて臨みました。

 午前5時半頃、現地到着に到着、まだ少し肌寒さを感じます。一部のメンバーはすでに駆除を開始しているようです。準備を整え、数日前に60オーバー5尾、50オーバー25尾という記録的な成果を上げたポイントへと3人で乗り込みます。先日ここで大物を何匹も釣り上げたサエキさんにこのポイントでのアドバイスをもらいながら、駆除を開始します。

 大物に気配を悟られないように、ポイントから少し離れて待つこと数分、ゆっくりと浮かんでいたサエキさんのウキが、突然水中へと引き込まれていきます。竿へと駆け寄り、やや大きめに合わせた瞬間、磯竿が満月のように撓ります。これは大きい!これまでの駆除では見られることのなかったすさまじい力で竿にかかっています。水底の相手は、右へ左へと抵抗を試み、なかなか姿を現しません。スピードはさほどではありませんが、まるで地面が動いているかのような重さです。今日は大物戦用に仕掛けを準備してあります。また、バスターズは当初からこのような状況にも対応できるように、性能の良いリールとグレ竿を準備して来ました。巨大な影が水中でギラリ、と光り、徐々に水面へと上がってきます。さすがの巨バスも力尽きたようです。このバスは、55cmでした。やはり今日も大物がいるようです。


 さらに十数分ほどたったころ、突然、私のウキが同じように、水中へと吸い込まれていきます、竿を大きくあわせるとゴン!という強い感触とともに竿が大きく曲がります。水面で大きな影が跳ねています。先ほどのものより大きいようです。今度は63cm、ロクマルオーバーでした。その口は恐ろしく大きく、大人のこぶしが二つ入ってまだ余りあるほどです。この口なら小さな水鳥を襲うというのも、うなずけます。この後も50オーバーと60オーバーがあがりました。遠くに見える別のポイントでも、50オーバーと40オーバーが数匹釣り上がっています。

 午後も、皆さん40オーバー、50オーバーの大物を次々と釣り上げていきます。中にはフロロカーボン製の2号ハリスを切っていくものや、海釣りで使う大物用の針を曲げていくものも現れます。まだ大型のものがいるようです。今回は、巨大バスの間をぬってコイが現れました。このサイズになるとさすがのバスでも襲うことは難しいでしょう。写真をとった後、生き残ってくれる事を願いつつ元の湖に返します。


 午前中に駆除した63センチのバスを解体してみました。このバスは腹が大きく膨れ上がっていて、また肛門が赤くなっているので産卵前のメスとわかります。まずバスをしめるために、まな板に乗せて背骨を切りますが、その後もバスは大きく飛び跳ねます。血もかなり抜けているはずですが、それでも生きています。在来の魚では考えられない生命力です。腹部を開いてみると、これまで見たこともない大きさの巨大な二つの卵の塊がでてきました。重さを量ってみると約230gもありました。バスの卵は1万粒から3万粒以上ともいわれているようですが、この卵はそれを上回る数に思われます。これを同じようなサイズのバスが守るわけですから、その繁殖力はすさまじいといえます。

 バスを釣り上げて捕獲する場合、引き寄せている間に胃の内容物を吐き出してしまうことがあり、胃を調べても何もでてこないことが多いのですが、このバスからは小さなブルーギルが出てきました。ブルーギルがバスの胃から出てきたのを見るのはこれが初めてです。ギルはコイ科の多い在来魚に比べると体高が高く食べにくいからではないかと考えられます。これだけ大きなバスがいれば、この付近ではおそらく小型の在来魚は存在しないでしょう。その事の表れのようにも思えます。また別のバスの胃からはワームが出てきました。駆除の経験上、南湖は北湖よりもギルの比率は多いですが、その南湖の現状が今回の集中的な駆除活動により明らかとなってきました。ここはもはや巨大バスの住みかと化しています。これがブラックバスの日本における姿であり、世界屈指の古代湖である琵琶湖の現状なのです。


 この後の夕方の時合いも合わせて、この日は、60オーバー2尾、50オーバー多数を含む、バス 32尾(61.9キロ)ギル 18尾(2.3キロ) 合計 63.2キロの大戦果をあげることができました。参加いただきました11名の皆さんご苦労様でした。

■ 駆除成果
参加人数 11名
ブラックバス 32尾 61.9kg
ブルーギル       18尾    2.3kg
バス最長寸 63cm, 61cm

合計 50尾 64.2kg
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2003年 第7回定例駆除 - 4月27日 南湖方面漁港 報告担当:だいけん

4月後半になり、バスの産卵もピークを迎える時期ですが、南湖では大型のバスが釣れ続いています。今日は南湖の大物ポイントを二手に分かれて駆除しました。琵琶湖には夜明け前に到着しましたが、一部のメンバーは時合いを見越して夜半に駆除を開始していました。足元にはすでに釣り上げられた外来魚が見られます。

 前回大物が釣れたポイントを3人で狙いうちます。大型バスは集中的な駆除のために回を追うごとに警戒心が強くなってきており、なかなかに難しい駆除を強いられます。しかし、一匹でも多くの産卵バスをしとめねばなりません。明るくなりはじめてだいぶ時間がたちましたが、まだアタリがでません。そこで、別の場所を狙ってみることにしました。仕掛けがなじんでまもなく、ウキがゆっくりと水面に引き込まれていきます。十分にウキを引き込ませてから合わせると力強い感触!大物が来たようです。竿は大きく曲がり、ドラグをじりじりと引きながら、魚は右に左に抵抗を試みます。水面に姿を現したのは、50センチはあろうかという大バスです。力尽きたバスを掬い上げてみると、54センチありました。やはり今日もいました。続けて、同じ場所を狙いうつと、同様のアタリ、合わせると今度も地面を釣ったような重い感覚、これも大きいようです。今度は51センチでした。遠くでも、サエキさんが50センチの大物バスを釣り上げています。今日は先のポイントが当たりのようでなかやまさんが50バスと48センチのバスを立て続けに釣り上げます。一定の時間間隔をあけて確実に寄ってくるようです。夕方にはまた時合いがあり、LARさんが48センチを釣り上げました。


前年の駆除活動では、バス最長寸は51センチでしたが、50センチバスはもうここではすっかり見慣れた風景となってしまいました。この周辺だけでもいったいどれだけの大バスがいるのか検討もつきません。これまでの駆除活動の経験から見ても、南湖はブルーギルの比率が北湖よりも多い場所です。しかし、その南湖にこれだけの大バスがいることを、今月の駆除成果を見るまで、我々も含め果たしてどれだけの人が知っていたでしょうか。バスも60センチにもなると体重は4キロ以上に達します。魚は成長するのに最大体重の十倍のエサが必要であるといわれており、この場合一匹で40キロのエサを食べてきたことになります。こんな大バスだらけの状況が生態系への影響が少ないなどと、どうすれば言えるのでしょう。この事実を理解するのに、精密な科学的検証など果たして必要でしょうか。

 湖西のポイントは、非常に魚影が薄い中、みやけさんが見事61センチの大バスを釣り上げました。北湖にも、南湖同様60オーバーのバスがいるようです。しかし、この後事件は起こりました。今回、滋賀県水産試験場への引き渡しのためにバスを生かしてあったのですが、たった数分間目を離したスキに、ストリンガーにつないであったこの61センチのバスを何者かが逃がしたのです。

バスをはずした後のストリンガーは、見せしめのように岸におかれていました。周囲にはバサーもたくさんおり、犯人はわかりませんでした。中にはニヤニヤとその様子を見ていた者もいました。これは我々の駆除活動への明らかな妨害行為であり、そして日本の内水面にバスはいらないとする全ての人達への挑戦であります。この暴挙を行った者に対して問いたい、見ず知らずの他人が釣ったバスを逃がしてまで、一体、君は何を守りたいのだ!?一般のバサーにとって、60センチを越えるようなバスは、生涯一度釣れるかどうかの夢のサイズであるとも聞きます。犯人には、大きなバスを釣られたことへの羨望の気持ちもあったに違いありません。これは、自らの欲望のためには何をやってもいいという、バス問題を非常に象徴したできごとであったと思います。

(左写真:何者かによって逃がされた61センチのバス)

 琵琶湖でのバスのリリースは、いまや禁止されているのです。しかし、これが現実です。他の場面でも、4月以降バサーが釣ったバスをリリースする姿を何度も見かけました。駆除の現場から見ても、今の琵琶湖ルールは決して守られているとはいえないのです。この事実を通して、皆さんにリリース禁止下にあるはずの琵琶湖の現状を考えてもらいたいと思います。


 今回は、夜半からの精力的な駆除活動の結果、50センチオーバー5尾を含む、バス 68尾、ギル 202尾 合計 50.7キロ の成果をあげることができました。なお、捕獲した大型バスの一部は滋賀県水産試験場にお引渡しいたしました。ご奮闘いただきました13名のみなさん、また現場までかけつけていただきました県水産課職員の皆さん、ご苦労さまでした。

■ 駆除成果
参加人数 13名
ブラックバス 202尾 -kg
ブルーギル       68尾    -kg
バス最長寸 61cm, 50cm超 5尾

合計 270尾 50.7kg
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