京都鴨川上流
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=== 外来魚バスターズ 定例駆除活動報告 3月号 ===


2003年 第5回定例駆除 - 3月9日 安曇川方面漁港 報告担当:だいけん
 今日は早朝からかなりの冷え込みです。もう3月だというのに道中は吹雪、チェーンをつけた車もたくさん見受けられます。安全第一でゆっくりと現地へ向かいます。他のメンバーに少し遅れて、午前6時半にようやく到着しました。冬場の駆除には慣れているものの、今日は不意打ちの寒さです。まずは全体の様子を見に行きます。この場所にはいつも大型のバスが潜んでいる一級ポイントがあるのですが、そちらではすでにバスが何匹かあがっているようです。しかし、この寒さで外来魚の活性は低く、アタリは少ないようです。

 まずは先月よく釣れた船と船の間のポイントを狙ってみます。この間は渋いながらもアタリがあったのですが、今日は反応がないようです。かなりたってからようやくアタリがでます。30cm前後のバスでした。ポイントにもよりますが、ここのバスは釣れればいずれも大型ぞろいです。向こうの一級ポイントではときおり竿が大きく曲がっていて、獲物が大きいのがわかります。寒さを凌ぎながらの非常に忍耐のいる作業ですが、今の大型バスの多くは成熟した卵を抱えています。これを地道にひとつひとつ駆除していけば、春に孵化するはずの外来魚の個体数を大きく減らすことができ、翌年の個体数に影響を与えることでしょう。外来魚駆除の成果は年単位で判断していかねばなりません。そのためにも継続した活動が不可欠なのです。


 今日はバス駆除専用ウキの新バージョン琵琶湖4号が完成しています。これまでのものに比べて遠投性と感度を大幅に改良したものです。外来魚に限らず、魚は食いのたっている時はどのような仕掛けでも釣れるものですが、限られた機会で大きな成果を上げるには、いかなる条件でも駆除できてこそ、その効果が出るというものです。特にバスやギルは、長い釣り歴を持つベテランが見ても年ごとの動態が非常に不規則な側面があります。これに対処するためには、我々も戦術を改善していく必要があるのです。今日のような条件が厳しい日の方がウキのテストには向いています。風も結構吹いているのですが、新型ウキはそれをものともせず、遠くのポイントを直撃します。大型のバスもくわえたウキを放す事もなく感度も設計通り、新兵器の開発は成功です。ボランティアの活動で、日々工夫を凝らすのは大変な労力が必要ですが、同時にこれがひとつの楽しみともいえますね。


 昼になって、ときおり日も差してきました。少し休憩をはさんでから再び駆除に赴きます。午後からも、晴れていたかと思うと時々吹雪に見舞われ、なかなか厳しい駆除が続きます。アタリの方はというと、群れが入ってくるのか時々連続で釣れては、しばらく止まるのを繰り返します。たまに小さなギルも混じってきます。

 夕方も近づいた頃に、少し食いがたってきました。バスはなかなかに強い引きを見せます。ばらさないように丁寧にタモで掬います。違う場所で駆除をしていたメンバーが帰ってきました。そちらでは、非常に限られたポイントでしたが、結構たくさん釣れたようです。型も大型が中心です。日も落ち、だいぶ暗くなってきましたが、今日はあまり釣れなかったので、皆さん最後まで粘っています。亮さんのウキが船の間のポイントでぐいぐいと引き込まれていきます。亮さんが私に「バスかな?ギルかな?」と尋ねます。日も暗くギルが多くなる時間帯で、さらにウキの動きも大きいので、私が、「うーん、ギル!」と答えます。ところが、かけてみると強い引き、これは大きいか!? 掬い上げてみると30cm後半のよく肥えたバスでした。亮さんが私を見て、してやったりという表情です。やはり先入観はよくありませんなあ(^^;


 一日を通じて厳しい駆除でしたが、皆さんの粘りと別働隊の成果もあり、最終結果は、バス 198尾(36.5キロ)、ギル 29尾(2.5キロ)、合計 227尾(39.0キロ)でした。産卵前の大型バスが大半で、非常に効果の高い駆除であったと思います。風や吹雪も吹いた中、奮闘いただきました9名の皆様お疲れさまでした。

■ 駆除成果
参加人数 9名
ブラックバス 198尾 36.5kg
ブルーギル       29尾    2.5kg

合計 227尾 39.0kg
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2003年 第5回定例駆除 - 3月23日マキノ方面漁港 報告担当:だいけん

 今年も3月の後半を迎え、春のおとずれを感じるものの、少し寒さが長引いています。今日は県主催の外来魚駆除大会の日です。大会を盛り上げるためにもがんばらねばなりません。午前6時ごろ、現場ではメンバーが次々と集まっています。日が昇るのも早くなり、もうかなり明るくなっています。ここのところ、大型ブラックバスの釣れるポイントはかなり定まってきており、ひとつのポイントに数名で入ります。
準備を整えた後、今年から実績のあるポイントを新型ウキ琵琶湖4号で狙います。昨年から集中的に駆除を行っているこの場所では、日にもよりますが食いが非常に渋ってきています。年が明けてから特に顕著になっています。今日は、天気はよいのですが、早朝から結構冷え込んでいます。そのせいかアタリも少なくなかなかの苦戦が予想されます。琵琶湖の水位もようやくプラスに回復し、水深も深くなって底の様子も見えません。日が昇り、水温が上がるのを待ちながら辛抱強く釣りを続けます。


 しばらくすると、ウキがゆっくりと引き込まれていきました。十分にウキが引き込まれるのを待ち、大きく合わせをかけます。竿が大きく曲がり、糸が張りつめます。底の方でギラリと影が光り、徐々に浮かびあがってきます。型のよいブラックバスです。
 雪代(雪融けの冷水)が大量に流れ込んでいるので、水温は一年で最も低い時期ですが、ブラックバスには竿を大きく曲げて走り回るパワーを持ち続けています。まさに在来魚を圧倒して余りある害魚であると実感させられる瞬間です。タモに収まったのは30cmオーバーのよく肥えた個体でした。
 昨年同時期の駆除成果に照らすと、この場所の駆除個体数は大きく減っていますが、体長は昨年同様に30cm前後のものばかりです。また、昨年の年末に集中的に駆除を行ったマキノ方面のブラックバスに比べると明らかに体高が高いのがわかります。バスたちは、どれも腹部が大きく膨れ上がった産卵を控えた個体で、大きな駆除効果があると期待できます。


 日も高くなり、暖かくなってきましたが、やはり食いの渋さは続きます。見渡すと、バスターズ以外にも一般のヘラブナ師がたくさんきているので、まるで釣堀のようです(笑)。昨年のこの季節はそれこそバスばかりが釣れていましたが、今日は一般釣り師がどんどん在来魚を上げています。このような光景はこれまでは決して見られることはなかったものです。おもしろいことに、こちらのアタリが止まると一般釣り師の竿が次々と曲がり始めます。ブラックバスの動きと呼応しているかのようです。
 午前10時も過ぎたので、今津の会場へ魚成さん、LARさんと共に今日の大会のエントリーに向かいます。会場の駐車場にはたくさん車が止まっていました。一般の方も結構参加しているようですね。会場では、イケダさんと合流しました。前日の大会の結果を見て、やる気満々の様子、この気迫には私も圧倒されそうです(^ ^;)。昼食を買ってから、現場へと戻ります。さて、ブラックバスの活性は上がってきたかな?

 正午も過ぎて、少し暑いぐらいになってきました。つ釣れ具合は午前中と同様にぽつぽつといった様子ですが、初参加の方も型のよいバスを釣り上げています。辛抱強く粘っていると、小さな時合いがやってきます。この機会を逃さないよう集中し、針に掛かったブラックバスを慎重に取り込みます。

 午後2時半となりました。今度は、大会の計量に向かわねばなりませんので、なかなか忙しい1日です。再び、今津会場に向かうと、午前に訪れた時よりも人が多くなっています。


 会場では、計量待ちの人々が行列を作っていました。ちなみに私の駆除成果は、バス2.8キロ、ギル1.5キロでした。計量担当のスタッフはバスターズメンバーが持ち込んだブラックバスのサイズや量に少し驚いておられたようです。しかし、尋常ならざる数のブラックバスが琵琶湖を不当に占拠している事実を白日のもとに晒し、凄惨とも言える琵琶湖の現実を改善する糸口としてゆきたいと願う私たちとしては、先の寒波によって成果が伸び悩んだ事が悔やまれます。 さて、計量も終わったし、最後にもうひとがんばりといきましょう。再び、駆除現場に戻ります。

 その後も、釣れたバスはほとんどが20cmを越えるものでした。また小型のギルもかなりの数が見られました。夕方には、少し食いもたち、35cmオーバーのバスも見られました。


 今日は、一日を通してアタリの少ない日でしたが、全体に大型のバスがほとんどとなりました。結果は、バス 169尾、ギル 76尾、合計 245尾(38.1キロ)となりました。今日は辛抱のいる駆除でしたが、皆さんよく健闘されました。今回、新しく参加されたイトウさん、ヨシダさんをはじめ、参加されました12名の皆様お疲れさまでした。なお、今回の駆除大会で、バスターズメンバーのサエキさんがバス重量部門でみごと優勝を勝ち取りました。サエキさんおめでとうございますV(^o^)
■ 駆除成果
参加人数 12名
ブラックバス 169尾 -kg
ブルーギル       76尾    -kg

合計 245尾 38.1kg
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コラム − 『対外来魚政策について』 執筆者 : MASA

 4月から県の条例により琵琶湖で釣ったブラックバス、ブルーギルを逃がす行為いわゆる再放流が禁止されます。琵琶湖でのこれらの外来魚の前面駆除を目指す外来魚バスターズとしてはこの条例が遵守されそれにより少しでも多くの外来魚が駆除されることを願ってやみません。しかし現実にはこの条例には罰則規定がありません。そのためか、施行の先日である3月31日にバスターズが行った駆除のときには、そのとき、バス釣りに来ていたほとんどのバサーたちは再放流していました。わずかに地元の漁師の家族と思われる方のみ釣った外来魚を回収ボックスに入れてました。条例の施行の前日でこのような状況では、到底多くのバサーがこの条例を守り再放流を止めることは期待しがたいところです。やはり、罰則がないところが大きいのかもしれません。バスターズとしては今後も駆除を継続するとともに、この条例に対するバサーの対応についても注意深く、見ていくつもりです。
 一方でバスターズがこれまで新堀、海津をはじめとして琵琶湖北湖を中心にブラックバス、ブルーギルを駆除してきた結果、3月中旬あたりから、(これらの魚が激減し比較的大きいものに限られますが) 鮒がこれらの場所に現れるようになりました。これまで、琵琶湖にいる外来魚の量は途方も無いため、駆除による生態系の回復など現実的でないという意見がありました。しかし、この事実は外来魚を徹底的に駆除すれば従来の生態系を取り戻すことが可能であることを示しています。この効果は今後の対外来魚政策に生かされるべきだとバスターズは考えています。

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■ おわりに
3月は、2回の定例駆除の他、のべ13回の駆除の結果を行い、月間駆除量が700キロを越えました。そして来月から琵琶湖ではいよいよ外来魚リリース禁止条例が施行されます。バスの産卵も最盛期を迎えますが、これらのバスを迎え撃つべく、外来魚バスターズはさらなる駆除活動を行います。

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