京都鴨川上流
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=== 外来魚バスターズ 定例駆除活動報告 1月号 ===
 外来魚バスターズは、年間駆除量2トンを目標に、2003年も琵琶湖に通い続けます。今年から、定例駆除の報告を、メンバーが分担して月1回のペースで行うことになりました。

2003年 第1回定例駆除 - 1月12日マキノ方面漁港 報告担当:なかやま
 1月12日の午前7時すぎ、だいけんさんと共に漁港に到着。小雨降る中、すでに他のメンバーは駆除を始めており、30cm前後のバスを何匹も釣り上げていました(写真1と2)。やや焦りを感じながらタックルを準備する横で、ヒュン!と竿が鳴っています(写真3)。今日のポイントは漁港内の遠めにあるようです。水位は昨年末より下がっており、見渡す限り藻で覆われています(ちなみにこれは外来藻)。雲の間から顔を出した太陽が水面を照らしているせいでよくは見えませんが、遠めには藻穴があり、どうやら皆さんそこをねらって遠投しているようです。さすがにあの距離へ撒餌をするのは無理と思いましたが、その必要もないくらいコンスタントに型の良いバスがあがってきます(写真4)

 今回も参加されているKAZさんは、違う所に良いポイントを見つけられたようで、防波堤から、そう遠くないところへ仕掛けを投げ込み、たんたんと、どんどんと、釣り上げて行きます。私といえば、朝方はまったく釣れず、皆さんの観察に終始しておりました。釣れてくるだろうバスをおめあてに猫なで声で待機していたネコも、私の元を去っていきました。。。時おり強まるアメアラレを、ローヤルゼリー入り飴をなめつつ耐え忍んだおかげで、ようやく昼前には私の竿も曲がりだし、ようやく駆除開始。遠投がうまくできずポイントへ仕掛けを投げ入れられなかったのと、針が太く餌のエビがすぐに弱ってしまうのがまずかったようです。

 年末の駆除のように文字通りの‘入れ食い’で小型のバスがあがってくるのとは違い、仕掛けを投げ入れてからアタリがあり、さらに針にかかるまである‘間'があったので、このテンポに慣れるまでは少々いらいらもしましたが、長く伸びたラインの動きや竿先から伝わる感触から魚の振る舞いを想像できるようになると、待つことも楽しくなってきます。そうして釣れてくるのは、ほとんどが20cmから30cmクラスで、まるで釣り堀にいるかのようです。

 以前なら、アタリが止まったときに昼食をとっていたものですが、最近は皆、そういう時にこそ釣れるように仕掛けなどを工夫しているので、アタリが止まっても休みません。釣れない時間帯がないといってもいいくらいです。結局、2時前に短時間で弁当を食べたのが唯一の休憩で、日暮れまで駆除は続きました。 数えてみると、バスが580尾(92kg)でギルが21尾(2kg)の合計601尾(94kg)。数は多くはありませんが、バスの粒がそろっていたため、重量はかなりのものでした(写真5)。なお、ギルは一部のポイントで朝方と夕方にみられただけでした。


 先週の個人駆除の結果とあわせて、すでに今年の駆除量は100kgを超えました。それだけの数のバスがこの港にまだいることは、決してめでたいことではありませんが、この季節でもいれば釣れる、駆除できることがわかり、初駆除として申し分のない成果といえます。今回釣れたバスはおもに2歳魚・3歳魚のサイズで、春には産卵を迎える成魚です。これを機に徹底的に駆除していこうと思います。最後になりましたが、本日ご奮闘いただきました9名の皆さん、ご苦労様でした(写真6)。 

■ 駆除成果
参加人数 9名
ブラックバス 580尾 92kg
ブルーギル       21尾    2kg

合計 601尾 94kg
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2003年 第2回定例駆除 - 1月26日マキノ方面漁港 報告担当:だいけん
 1月26日の午前6時半ごろ、魚成さんと残雪のマキノの漁港に到着。あたりの山はすっかり雪景色、冬の琵琶湖もなかなか美しいものです。車を降りて、まずは暗い内から駆除を開始している他のメンバーの様子を見に行きます。すると、停泊している船の際を釣っていたLARさんがやや型のいいバスを釣り上げ、それをみて魚成さんが笑います。全体的には、この寒さの中、まだ外来魚は揚がっていないようです。私もそろそろ戦闘開始。前回入れ食いだった漁港内のやや沖のポイントを狙おうと移動すると、足元がつるっ、と滑ります。見れば、何?地面が凍っているではないか!?今日の朝の冷え込みはかなりのようです。まず遠め、次に近めの船も際、と竿を出すもアタリはなし。他のメンバーも用意した焚き火で暖を取りながらの駆除です。このように冷え込みが強いと、さすがの外来魚も藻に入ってしまい、食事どころではないようです。

 このような日は慌てず急がず、竿を出しながら日が昇り水温が上がってくるのを待ちます。漁港の一番入り口の方では、魚成さんがぽつぽつとバスを釣り上げているようです。このポイントは昨年の12月に小型のバスが大量に釣れたところでもあります。今日は漁港の西側にバスが集まっているようです。魚成さんが皆に呼びかけ、メンバーがポイントの移動を開始。私も、魚成さん、サエキさん、竹内さんと共に同じポイントを狙います。ほどなくして、バス駆除専用ウキ「琵琶湖2号」が水面へと消し込み、やや小型ながらバスが釣り上がってきます。山の陰に隠れていた太陽が徐々に姿を現しはじめました。気温が上がるにつれて、当りが多く成ります。やや大型のバスも釣れ始めました。活性が高くなってきているようです。

 今日は、LARさんが開始時から良型のバスを釣り上げています。停泊中の船のすぐ沖側に、型のよいバスが集まっているようです。隅のポイントもアタリがなくなってきたので、魚成さんと私もそのポイントを狙います。ややせまいポイントですが、すぐにウキが消し込み、大型のバスが揚がってきます。30cmを超えるよく肥えたバスも見られ始め、時折タモが飛び出します。その様子を見て集まったノラネコ軍団が獲物を狙っているので気をつけなくてはなりません(^^;。正午をすぎ、そろそろ食事をとってもいい時間ですが、時合いは続き、良型のバスが次々と揚がってきます。きりがないので、1時すぎに休憩、弁当を食べます。今日は非常にいい天気で、少し暑いぐらいです。

 少し休んでから再び戦闘開始、今日はポイントがやや限られている事もあり、如水さんとサエキさんは他の場所へ偵察に出ます。その後も同じポイントで同じような型が釣れ続きます。3時すぎに午前中仕事で戻っていた亮さんが再び参戦、しばらくして如水さん、サエキさんも戻ってきます。そちらでも大型のバスが群れているポイントがあり、なかなかの釣果だったようです。夕方も近づき漁港内にはカモの親子やウが入ってきました。場が荒れるので、こちらにはこない事を祈ります(^^;。日も暮れ始め、5時を告げる寺の鐘の音が、漁港一帯に響き渡ります。バスターズ結成以来、これまで何度この音を聞いた事でしょう。しかし、今日も外来魚は釣れ続いています。

 前回よりも少ないメンバーで臨んだ今回の定例駆除でしたが、結果は、バス523尾(66.1kg)、ギル9尾(0.7kg)、合計532尾(66.8kg)の大戦果でした。全体としては、前回同様30cm前後のバスが中心で、ギルは3時を過ぎたころからわずかに見られただけでした。今回の釣果で、本年の合計駆除量は200kgを超えました。このペースで、春には産卵を控える外来魚を駆除していく所存です。今回も駆除に御奮闘いただきました7名の皆さん、お疲れさまでした。

■ 駆除成果
参加人数 7名
ブラックバス 523尾 66.1kg
ブルーギル       9尾    0.7kg

合計 532尾 66.8kg
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コラム − 『市民不在の外来魚問題 執筆者 : MASA
 外来魚問題は琵琶湖を始めとする日本の内水面(河川や湖)の生態系を後世にどのような形で残すかという問題です。しかしながら、その最大の当事者である多くの市民が不在に間に、ブラックバス、ブルーギルによる自然破壊があちこちで進行し、事態の悪化が進んでいます。これらの魚は極めて短期間のうちに、日本のあちこちの河川や湖に広がったのです。もちろん魚ですから、隣の池に自力で移動することなど多くは不可能で、何らかの人為的な力がないと不可能と言えます。しかも、残念ながらこれらの魚で商売をし、また遊んでいる人たちがいます。バス関連の業者とバサーと呼ばれ、ブラックバス釣りを楽しむ人たちです。

 現在、彼らの人口は多く、一定の勢力を形成するに至っており、あたかも既得権の如く、自分たちにはブラックバスを釣る権利があり、そのために、ブラックバスを保護すべきであると主張しています。一方で、ブラックバスやブルーギルの存在で漁業被害を受 けている漁師たちは、これらの駆除に熱心です。そのためこれまでの外来魚問題は両者の利害関係という視点で扱われて来た一面は否定出来ません。

 最初にも述べましたようにこの問題の最大の当事者は市民です。しかし、これまでは多くの市民の無関心を良いことに、市民不在のところでこの問題が扱われて きた側面が有りました。多くの市民が関心を持ち、市民の立場での解決が望まれることは言うまでも無いと思います。 外来魚バスターズはこれまで市民の立場で駆除問題に取り組んできました。そして、昨年は1トンの駆除を行い、本年は年間2トンの駆除を目標に掲げています。バスターズは本年も市民の立場での外来魚問題の解決という方針を堅持して、この目標を達成したいと思います。

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■ おわりに
 1月には、ここで報告した2回の定例駆除の他に、メンバー有志による6回の個人駆除が行われ、駆除の総量は218.7kgになりました(2003年駆除成果)。
これから春にかけての季節は、産卵をひかえた大型の個体が漁港付近に集まってくると思われます。外来魚バスターズは月間300kgを目指して2月も駆除活動を行います。
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